リアップを使っていると「夜だけでも大丈夫?」と疑問に思うこともあると思います。
夜だけの使用にしたいと考えている方は…
- 朝使うとベタつきや白くなるのが気になる
- 夜だけにすれば1本で2ヶ月使える
といった目的をお持ちではないかと思います。
ですが結論から申し上げれば発毛効果を狙うならリアップの「夜だけ・1日1回利用」はNGです。
リアップに含まれるミノキシジルの特性や作用機序(効果の出る仕組み)の観点からその理由をご紹介します。
書いた人:リク
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なぜリアップは「夜だけ・1日1回」だと効果が薄れるのか?
*大正製薬より引用
リアップの夜だけ利用がおすすめできない理由は、ミノキシジルの特性と作用機序にあります。
ミノキシジルで髪の毛が生える理由については、まだ完全に理解できているわけではありません。
ただし、最新の研究によってミノキシジルには2つの働きがあることがわかっています。
- 休止期の毛包を活性化させる
- 毛包を大きく深く成長させる
今回は「リアップの夜だけの塗布」についての特集のため、細かい説明は省きますが、ミノキシジルはいわゆる毛根と呼ばれる毛包に直接作用して、新しい髪の発毛を促し、そして今ある髪の毛もより太く抜けにくく成長させるよう促す作用があります。
こうした効果を得るために重要なのが『ミノキシジルが常に毛包に作用する』環境を作ることです。
リアップを夜だけしか使用しないと、1日のサイクルの中でミノキシジルが毛包に作用する時間が非常に限定的になるため、発毛効果が得にくくなってしまうのです。
というのも、ミノキシジルの半減期は実は4時間ほどなのです。
半減期とは、物質やその能力や機能、濃度などが、代謝などの化学的な反応などによって半減するまでに要する時間を指す。
つまり、リアップを塗布してから4時間ほどで、発毛効果は塗った直後から比べると半減してしまうということです。
そのためリアップを夜だけしか塗らない人・1日1回しか塗らない人の場合、例えば夜21時に塗布すると、夜中の1時から次の日の夜21時頃までは、リアップの効果が頭皮にほとんど残っていない状態になってしまいます。
これでは発毛効果が得にくくなるのは当たり前ですよね。
そのため、リアップの製薬会社である大正製薬も1日2回の塗布を用法としているのです。1日2回の塗布によって、できるだけミノキシジルが毛包に作用する時間・頻度を多くすることで発毛効果を期待できるようになります。
リアップを「夜だけ」にしたくなる2つの理由
リアップの夜だけ使用だと効果が得にくくなる理由をご紹介しましたが、多くの方は「そんなことは知っている!でもリアップは朝に使いづらいんだよ…」とお悩みのことと思います。
冒頭でも書きましたが、リアップの夜だけ利用を考えてる方は…
- 朝使うとベタつきや白くなるのが気になる
- 夜だけにすれば1本で2ヶ月使える
といった理由だと思います。
確かにリアップを使うと髪がごわついたり、乾くと白くなったりすることがあるので、お仕事をされている方だと使用しづらく感じる方が少なくありません。
ただ、リアップは仕事があるから朝は使わずに夜だけにしてしまうと、発毛効果も得にくくなってしまうので本末転倒です。
そこで、リアップを夜にしか使いづらいと感じている方のために、具体的な対処法を2つご紹介します。
対策法1:リアップX5とリアップジェットを組み合わせる
まず、1つ目の対処法は…
夜はリアップX5プラスネオ
と使い分ける方法です。
大正製薬からは発毛剤が数種類出ていて、それぞれベタつきやごわつきの出方が異なります。
一覧表でご紹介します。
薬品名 | 配合量 | 使用感 |
リアップX5 プラスネオ |
5% | △ |
リアップX5 | △ | |
リアップ | 1% | ◯ |
リアップジェット | ◎ |
リアップX5プラスネオとリアップX5はミノキシジルを5%配合した発毛剤なのに対して、リアップとリアップジェットはミノキシジルを1%だけ配合されています。
使用した際の髪のごわつきやベタつきは、ミノキシジルの配合量の少ないリアップやリアップジェットの方が優れています。
「ミノキシジル1%だと効果がないのでは?」と不安になるかもしれませんが、大正製薬ではそれぞれの発毛効果の臨床試験結果を公表しています。
大正製薬のデータによると…
- 使用4週間後
ミノキシジル1%:+0.8本
ミノキシジル5%:+1.4本 - 使用12週間後
ミノキシジル1%:+17.2本
ミノキシジル5%:+23.7本
若干リアップX5やX5プラスネオと比べると発毛効果は劣りますが、ミノキシジル1%の発毛剤でもしっかり発毛効果が確認できていることがわかります。
ベタつきやごわつきが原因でリアップを夜だけ使っている方は、朝にはリアップやリアップジェットを使用することで、より発毛効果を高めることができます。
ちなみにリアップジェットの実売価格帯は3,500円前後のため、リアップX5プラスネオを夜だけ、リアップジェットを朝に使うことで1ヶ月にかかる費用も抑えられます。
対策法2:ジェネリックの発毛剤を使用する
リアップを夜だけ使用した場合の発毛効果が気になっている方の中では少数派かもしれませんが、「夜だけの使用にすれば1ヶ月の費用を半分にできる」と考えておられる方もおられます。
できるだけ費用を抑えたいと考えている方は、リアップの継続ではなく、リアップのジェネリックを検討することをおすすめします。
論より証拠で、実際にリアップX5プラスネオとジェネリックの実売価格を比較してみましょう。
薬品名 | 実売価格 |
リアップX5プラスネオ (大正製薬) |
7,752円 |
リグロEX5 (ロート製薬) |
4,950円 |
アロゲイン5 (佐藤製薬) |
5,479円 |
ロート製薬や佐藤製薬といった大手の製薬会社が販売しているジェネリック発毛剤でも、リアップよりも2,000円以上リーズナブルに購入できます。
発毛効果はいずれもミノキシジル5%を配合しているため全く同等です。
ジェネリックに切り替えるだけで、毎月にかかる費用を抑えることができます。
髪が生えた後もリアップは継続しよう
半年ほど継続してみて「結構髪が生えてきたから、そろそろ夜だけ使うのでも大丈夫かな」という方もおられると思います。
髪が生えるまでは発毛させることをモチベーションにしてしっかり一日2回使うのですが、ある程度発毛に成功してしまうとリアップの使い方が少し雑になってしまうのはよくあるケースです。
ただし、残念ながらリアップは男性型脱毛症を完全に治癒させる医薬品ではありません。
そのため継続をやめてしまうと、数ヶ月かけて元々の頭髪の状態、もしくはリアップを使っていなかった場合の現在の頭髪の状態へと戻っていきます。
そのため、ある程度リアップの効果に満足された方も、必ず継続するようにしましょう。
ミノキシジル発毛剤を朝夜使用した効果例
実際に当サイトでAGA治療を継続しているスタッフのビフォーアフターをご紹介します。
朝夜継続することの大切さを実感していただけたらと思います。
スタート時の頭皮の状態
頭頂部が丸く薄くなっている典型的な男性型脱毛症。
マイクロスコープの画像を確認しても、毛径の細くなってしまう男性型脱毛症の特徴的な細毛化が確認でき、全体の20%以上となっています。
1ヶ月目の効果
肉眼では効果をほとんど確認できません。
1日2回ミノキシジルを塗る必要があるため面倒くさく感じやすく、効果が目に見えないのでこの頃が一番つらく感じます。
ただ、マイクロスコープで見ると硬毛と軟毛の比率が若干改善されているようにも観察できます。
2ヶ月目の効果
肉眼でもはっきりと丸い線になっていた薄毛部分がグラデーションになって目立たなくなっている様子を確認できます。
マイクロスコープで観察すると、AGAによって軟毛となってしまっている髪の毛が顕著に少なくなっているのが確認できます。
3ヶ月目の効果
3ヶ月目に入ると、本人も鏡で後頭部を確認してAGA症状の改善が確認できるようになりした。
マイクロスコープでは一つの毛孔(毛穴)から1本しか生えていなかったところからも細い2本目、3本目の毛髪が生えてきているのが観察できます。
4ヶ月目の効果
4ヶ月目に入ると、家族や友人など身近な人も毛髪量の変化に気づくようになります。
マイクロスコープで確認すると、3ヶ月目で生えてきていた毛孔の2本目、3本目の毛髪がより太く長く成長しています。それに伴い毛髪密度の改善も確認できます。
大正製薬の推奨期間である4ヶ月継続してみて、後頭部のAGA症状は完全に回復とまでは言えませんが、顕著に改善されていることがわかります。
リアップは夜だけでなく、大正製薬が推奨しているように必ず1日2回使用するようにしましょう。
12ヶ月経過後の効果
開始時と1年継続して使用した経過時の比較写真です。
開始時の診断ではAGAの「中等症がかなり進んでしまった状態」との診断でしたが、1年間継続して再度診断を受けると「中等症と初期症状の真ん中」程度まで回復との診断でした。
生え際のM字状態は回復しているとは言えませんが、生え際の髪の毛まで太く強い毛に変わったため以前ほどは生え際が気にならなくなりました。
頭頂部に関しては髪の毛が少なく、細くなってしまって露呈していた頭皮が短髪でも目立たない程度まで髪が増えて太くなっていることが観察できます。
*ミノキシジルで可能性のある副作用:皮膚症状(6%)など
AGAクリニックで月額何万円もする高額な治療を受けなくても、皮膚科学会が発表する薄毛診療ガイドラインに沿って「ミノキシジルの外用・フィナステリドの内服」(薄毛の基本治療)を継続するだけで時間はかかりますが徐々に薄毛の状態が回復できることがわかりました。
日本皮膚科学会:男性型脱毛症診療ガイドライン
12ヶ月間でかかった費用は…
- ミノキシジル外用薬:約3,500円
- フィナステリド内服薬:3,800円
で、1ヶ月あたり約7,300円です。
臨床試験では12ヶ月以降も継続することでさらに治療効果が得られることがわかっているので、継続してどのような変化があるのかを確認してご報告したいと思います。
*フィナステリドで可能性のある副作用:リビドー減退(1.1%)など
▼イースト駅前クリニックを選んだ理由を解説▼
リアップは夜だけでなく必ず1日2回使用しよう
今回は「リアップは夜だけでも効果があるのか?」という疑問にお答えしました。
ミノキシジルの半減期は4時間と短いため、残念ながら夜だけの使用では十分な発毛効果は期待できません。
そのため、発毛を目的としてリアップを使用する場合には、必ず大正製薬の定める用法通りに1日2回使用することをおすすめします。
髪のごわつきやベタつきが気になって仕事の前にリアップが使えないとお悩みの方は、リアップX5よりも使用感に優れるリアップジェットといった医薬品もあるため、ニーズに応じて使い分けるようにしましょう。
リアップに配合されているミノキシジルは、臨床試験によって作用機序がしっかり確認されている医薬品です。
今ある髪を育てる発毛促進とは異なり、今髪のなくなってしまったところに髪を生やす効果があります。
薄毛は治療できる時代になったので、髪のことでお悩みの方はできるだけ早めに対策を始めるようにしましょう。